腹式呼吸はなぜ大切なのだろうか

声は、呼吸時に吐き出す空気によって声帯が振動することでつくられます。ということは、空気の吐き方を制する者が、安定した声や歌を制すると言える。そもそも「腹式呼吸は大切だ」というセリフをよく聞きますが、なぜ腹式呼吸でないといけないのか?それを理解するために、胸式呼吸と腹式呼吸の違いを知る必要があるのです。

O胸式呼吸
普段生活している呼吸です。息を吸ったときに肩が少し上がります。空気が肺の中に入って胸がふくらみ肩が少し上がる感じになります。このときなぜ肩が上がるのかというと、空気が肺に入ったときに肺が上と前後左右にふくらむからなのです。これが胸をふくらませる原因となり、身体を押し広げて肩を上げることになります。また、お腹の中にある胃や腸は上に引っ張り上げられて、お腹がへこむのです。

O腹式呼吸
歌に適している呼吸です。胸式呼吸との違いはどこかというと、肺のふくらむ方向にあります。腹式呼では空気が肺に入ったときに肺は下向きにふくらみ、横隔膜も押されて下がります。これによりお腹の中に胃や腸に行き場をなくして、お腹が前に突き出てふくらむのです。

胸式呼吸と腹式呼吸の一番分かりやすいのは違いは、お腹がへこむのか、ふくらむのかであります。
O胸式呼吸は、息を吸うと、お腹がへこむ
O腹式呼吸は、息を吸うと、お腹がふくらむ