のど・腕・胸から不必要な力を取り除く

口とのどの奥が大きく開き、お腹の支えが安定して良い空気の流れを作れても、身体に不必要な力が入っていては、良い声を響かせることはできない。声は口だけではなく、身体のさまざまな部分を使って共鳴させている。

身体に不必要な力が入って共鳴しないことは、良い声を響かせるうえで良くない影響を与える。特に高音を出すときに力が入りやすいのは、のど・腕・胸です。トレーニングでのど・腕・胸に不必要な力が入らない状態をつくり、良い声を響かせる状態を身につける。

「舌出し歌いトレーニング」
のどで細かいコントロールをすることなく歌を歌うトレーニング。鏡の前で口を大きく開き舌を出せるだけ出す。前に突き出すのではなく、舌をあごに近づけるように前方下方向に伸ばす。そのまま鏡を見ながら歌ってみます。おそらくはっきり発声はできないと思いますが、気にしない。

舌はのどからつながっているのです。そのためのどに力が入ったり、のどで歌声をコントロールしようとしてのどの状態が変化すると、同時に舌も動きます。のどに力が入ったか、のどの状態が変わったか、とうことは歌っているきは分かりにくいもの。

でも、鏡で舌の動きを見ていれば、のどに力が入った瞬間が見えます。のどに力が入ると、舌が上に浮いたり、口の中に引っ込もうとする動きが鏡で見ることができます。

「腕振り歌いトレーニング」
腕を振ることで、胸の筋肉に不必要な力が入らないようにする。胸に不必要な力が入らないように、腕を振るという行動にすり替えています。このときひじは曲げずに、肩から腕全体を振るようにする。

「胸張り歌いトレーニング」
肩が前に前に入り、胸をすぼめてしまうと伸びのある声は出ないのです。そこで高い音を出す瞬間に思いきり胸を張って、肩・腕を後ろに広げてみる。高音が力むことなく伸びやかに出せる。このトレーニングも不必要な力が胸や肩に入らないように、胸を張るという行動にすり替えています。